マネジャーが主体的に考えなければならない職務設計について、ドラッカー「マネジメント」の22項.に学ぶ

お仕事

技術系の会社に入ってエンジニアとして仕事をする場合、まず細分化された部署に配属されて、そこで業務をこなしていくことで、時間を掛けて専門性が身についてきます。その分野においての専門家になっていきます。そして、適性を見込まれた一定の人は管理的な業務も任されるようになります。いわゆるマネジャーとしての職務が求められます。

目次

ただ、マネジャーになったは、なったでいいのですが、一体どんな職務を行わなければならないのか?という点が気になります。

「マネジメント」の中では、次のように述べています。

マネジャーの仕事に関して、正しい職務設計を保証する公式はない。しかし、マネジャーの働きを妨げるような間違いを知り、それを避けることはできる。

P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳「マネジメント」22.マネジャーの仕事

6つポイントを挙げていますが、筆者が注目した4つポイントを以下に挙げています。

①・・・職務を狭く設計し、優れた者であっても成長できなくすることである。

②補佐役という職務、つまり仕事とはいえない職務はさらに有害である。

③マネジメントとは一つの仕事である。しかしそれは、マネジャーが専念しなければならないほど時間を要する仕事ではない。・・・プレーイング・マネジャーでなければならない。

④マネジャーの仕事は、彼一人あるいはその直接の部下を使うだけで遂行できるもの

P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳「マネジメント」22.マネジャーの仕事

逆説的にとらえると

①成長が必要、②ちゃんと仕事をしなさい、③マネジメントの仕事自体は時間を掛けない、④マネジメントとは別の業務は抱えすぎないこと。

となります。筆者なりに言い換えると、マネジャーは専門業務に加えてマネジメント業務も行い、専門業務の量は調整しなさい。となります。

筆者の苦手なところは専門業務の量を調整できておらず、マネジメント業務が少々おろそかになる場合があります。④が当てはまります。

なぜ専門業務の量を調整できないのか?については、新たに発生する業務が多くて、手一杯となり、部下に振ることができていないことが主要因です。部下の業務遂行能力や抱えている業務を考慮し、なかなか振りづらいというのが本音です。このことが、このテーマに着目した理由になります。

ただし、そもそもは「マネジメント」が述べる職務設計によって職務を明確にする作業を行っていなかったという点が背景にあります。職務設計の視点を4つ述べています。

①マネジャー本来の機能、すなわちマネジャーの仕事そのもの

②個々のマネジャーに対し、組織や上司が設定する責任

③マネジャーの仕事は、上、下、横との関係によって規定される。

④マネジャーの仕事は、必要とする情報とその情報の流れにおける彼の位置によって規定される。

P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳「マネジメント」22.マネジャーの仕事

ここに述べている4つの視点のうち、特に、②個々のマネジャーに対し、組織や上司が設定する責任を理解することが最も重要だと思いました。ただし、組織や上司が何を求めているのか?というのはビジネスの状況でも変わってきますし、上司が代ったりしてもずれてきたりします。都度アンテナを張って上司の言葉の文脈から求める責任を読み取って、それを実現できるような職務設計ができれば、自分自身損はしないだろうし、組織としてもうまく回ると考えます。

上司の求める責任がわかれば、業務の強弱がつけることができて、発生する業務を入口で判断し、最適な分量に解釈をしてから、部下へも降ることができると思いますし、それができるようになることが成長につながると考えます。

まとめ

・マネジャーの職務設計をちゃんと考えること。

・上司の求める責任を理解すること。

・上記を踏まえて業務は入口で整理すること。

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