会社員、組織に働く者の最大の関心事は「人事」ではないでしょうか?
口には出せないものの、昇進・降格、悲喜こもごも。近年は成果主義も定着し、自分より若い上司は当たり前になってきました。
筆者も、なぜ、あの人があのポジションにいるのだろうと思ったりします。それは、なぜ昇進しているのか、逆に、なぜ昇進していないのか、両方の場合があります。自分の中に理想の上司像があり、それと相対比較をしてしまうからです。
「上司とはこうあるべき」という上司像は正に、自分自身の投影に外れないのではないでしょうか?自分自身との相対比較だからこそ、「人事」が最大の関心事といえる所以だと考えます。
昇進が同期に先を越された、はたまた年下に先を越された、何か自分自身を否定された気持ちになります。
こんな時どう考えたらいいのでしょうか?なぜ、あの人は昇進するのか?自分との違いは何なんだろう?ドラッカーさんの「マネジメント」に学ぶところでは、「真摯さ」が1つの答えになります。「真摯さ」がマネジャーに求める必須の素養だと述べています。
しん‐し【真摯】 の解説
[名・形動]まじめで熱心なこと。また、そのさま。「―な態度」「―に取り組む」
goo辞典
一般的な意味の「まじめで熱心なこと」、ってありきたりな表現で抽象的です。
目次
ドラッカーさんの言う「真摯さ」とは何なのか?を見ていきましょう。
真摯さなくして組織なし
真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。 (中略) 真摯さは、とってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。(中略)無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。
真摯さの定義は難しい。(中略)真摯さの欠如を定義することは難しくない。
P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳「マネジメント」26.組織の精神
「真摯さ」を絶対視して、初めてまともな組織といえる。「真摯さ」の欠如は許さない。決して許さない。と強く表現されています。
ドラッカーさんが「真摯さ」を重要視していることがわかります。
マネジャーには「真摯さ」の欠如は許されないのです。しかし、述べられているように、「真摯さ」の定義は難しいのです。
知識もさしてなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、マネジャーとして無害なことがある。しかし、いかに知識があり、聡明で会って上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。組織にとってもっとも重要な資源である人間を破壊する。組織の精神を損ない、業績を低下させる。
P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳「マネジメント」26.組織の精神
定義の難しい「真摯さ」を伝えようとしている、この表現が非常に深いと思います。
(ただ、マネジャーが知識もなく、仕事ぶりもお粗末で、判断力、行動力が欠如しているということはないと思いますが、「あくまでも相対的に見て・・・」が省略されている、と解釈します。極端な表現を使ってでも、ドラッカーさんが強く伝えたいことだと思いました。)
逆説的にみると重要な資源である人間を成長させ、組織の精神を維持発展させ、業績を向上させるような作用をもたらすものが「真摯さ」ということになります。
業績を向上させるような成果をもたらしたら「真摯さ」があるのでしょうか?
業績向上は評価されるべきですが、マネジャーとしてはそれだけでは足りないのです。
マネジャーとして失格となる真摯さの欠如の定義は以下の通りです。
①強みよりも弱みに目を向ける者
②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者
③真摯さよりも、頭の良さを重視する者
④部下に脅威を感じる者
⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者
(抜粋)P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳「マネジメント」26.組織の精神
筆者のケースに落としてみると
なぜ、あの人があのポジションにいるのだろうと思ったりします。それは、なぜ昇進しているのか、逆に、なぜ昇進していないのか、の両方の場合があります。(前述)
上記5つの観点で、昇進している人は優れていたのです。昇進していない人は劣っている部分があったのです。
自分の眼鏡を通して、物事を解釈せず、ドラッカーさんの基準で人事の決定を考えてみると見えてくるものがあるように思います。
筆者も改めて自分自身の棚卸をして、自己成長につなげたいと思う次第です。
コメント
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