スタートアップの問題点から、老害にならないためのマインドを考察してみた。

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スタートアップは技術革新の旗手であり、多くの国が経済政策として掲げています。日本では根付いていないのは起業の煩雑さ、労働市場の流動性が低い、失敗した場合の再起が容易でないなどの理由が挙げられます。日本のようなリスクを取らない文化の国々の中でも成果が上がっている政策があるので、それぞれの良いとこ取りをし、分野横断的な支援策を講じることが必要です。

ただし、スタートアップという極めて新しい分野への挑戦というリスクの高い方向に日本人がどれだけ、共感するのかについては疑問が残ります。

安定志向をベースにした親からの教育、高校を出たら、大学に行って、大企業に就職、あるいは公務員になりなさい、というありきたりなことを言われて育ってきている訳です。筆者も例外ではないです。そのレールに乗ったら、外れることに恐怖を感じ、自分の道や立場を守ろうとする思考が働いているように思います。

筆者は40代前半の年齢だが、高校生の時は片田舎の私学で寮生活を送りました。情報源は、学校の授業や行事、先生からのお話、教科書、それ以外にはマンガ、新聞、書籍ぐらいしかなくて、テレビも週末の限られた時間しか見ることができませんでした。筆者の場合は特別だが、それにしても、今は更にインターネット、SNS、YOU TUBEなどで、自分の意志で好きな情報を自由に取得できる訳です。今になって思うのは、高校生の多感な時期に、自分の将来についてもっと情報を集めたり、社会に出て働くことに対する考え方や価値観を経験談として教えてもらっていたら、その後の進路も違ったものになっていたのではないかと思う次第です。

というのは、最近Youtubeの成田悠輔さんの番組で高校生が呼ばれて対談をするのを見ました。ツイッターのDMを成田さんに送り、それを見て、面白いということで、対談が実現したようです。その16歳の青年はyoutubeなどで成田さんの発言などに感化され、日本が衰退していくのを見過ごすことができないという理由で政治に対する関心が高くなって、友達にもそれを伝え、何人かの賛同者も得ているということを熱く雄弁に語っていて、正直驚きました。情報のシャワーの中に放り込まれていることが現代社会の問題点とされる中でも、メッセージをくみ取って、自分の考えに同化させて、自分の道を決めていく若者がでてきていることはこの国にとっても良いことだし、うらやましく感じました。ちにみにその青年は、日本の衰退の一因は、新しい技術が出ておらず、世界に後れを取っているためだと考えており、政治に関心はあるつつも、日本を変えていくのはイノベーション(技術革新)だ、ということで研究者になりたいという夢を語っていました。

先にスタートアップに対する日本人の共感についての危惧を述べましたが、現代は情報が簡単に手に入る時代であり、上記の高校生の例のように、少なくとも20~30年前の筆者が高校生の時よりは多くの共感者がでてくる世の中になっているのではないかと思うところです。

このような世の中を憂いて、良くしていこうという高い志の人材をつぶしてはいけないと思う訳です。

日本でのスタートアップはいわゆる投資家からの投資をもらうのはハードルが高く、その代わり上場することのハードルが低いので、上場するケースが多いようです。ただし、上場するデメリットとして、株主の意向が出てきて、やりたいことが制限されるケースがあったり、将来の大きな飛躍のために必要な初期投資ができずに、その後うまく軌道に乗れずにずるずる行ってしまうケースもあるようです。

もっと身近なところで考えると、何も世の中を良くしていこうという高い志の人材は、企業の中にもいるわけなので、彼らの志をつぶすことなく、サポートしていける動きが大事なように思います。別のページでも述べているようにリーダーの考え方・価値観を結果主義でなく、プロセス重視にしていくことから始めていきたいと思います。

40歳を過ぎて、若い後輩がいる訳ですが、古い考えで一方的につぶしにかかるような変化に対応できない老害人間にだけはなりたくない、むしろ、自分自身こそが新しいイノベーションを起こすんだという高いモチベーションを持って生きていきたいと思うところです。

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